恋する銀行員

元メガバンクの社畜が紡ぐ物語

【恋する銀行員】第8話『キスから始まる人事評価』

第8話

『キスから始まる人事評価』

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 前話あらすじ

 

SMBC運動会前夜

僕は新しい同期に会った

そう

『金太郎』である。

 

higumaaa.hatenablog.com

 

初めての人は第1話からどうぞ!

 

higumaaa.hatenablog.com

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数多くのハードな研修

 

多くの出会いを与えてくれた運動会

 

様々な研修を乗り越え、

僕たちは研修最終日前夜を迎えた。

 

今日は研修所にお泊まりである。

 

この過程の中には多くの死者も出したが、

僕はなんとか最終日前夜まで辿り着くことが出来た。

 

最終日まで来ると全員が銀行に染まりきっていた。

そう

SMBCカラー

に染まりきっていたのだ。

 

遠目から見るとナメック星人のように見えたかもしれない。

 

 

それだけの戦闘力をこの3週間で身につける事が出来たのだ。

 

 

研修の中身はちっとも思い出せないが、

 

僕たちはSMBCマンとしての戦闘能力を纏い始めたのだ。

 

そんなこんなの最終日前夜。

 

 

 

全ての研修を終えると、

講師

「この後はあああああああ、食堂に集合うううううううおおおおお!!!!」

 

と、食堂に集合がかかった。

 

 

僕は

「また死者が出たのか?」

と思い身を震わせていたが、

 

この日は何かが違ったのだ。

 

 

さっきまで戸愚呂弟の様な見た目の研修所の講師たちが、

 

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出典:https://xn--cckwa3gzdl0b.net/toguro-ototo/

 

笑顔で迎えてくれたのだ。

 

 

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出典:https://dic.nicovideo.jp/a/%E6%88%B8%E6%84%9A%E5%91%82

 

 

 

優しさで溢れていたのだ。

 

食堂のフロアにはお寿司や唐揚げ、

様々なオードブルと

アサヒビールが溢れかえっていたのだ。

 

民衆が戸惑っていると、

食堂に声が響いた。

 

戸愚呂弟(講師)

「長い研修うううううううううううううう。おつかるううえええええええさまどぅえしたああああああああああああ。今日はあああああああ最終日いいいいいいいいいい。たくさんんんんんん。飲んでくるうええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」

 

民衆

「ふええええええええええええ」

 

 

 

 

そう

研修の

打ち上げである。

大懇親会である。

無礼講である。

 

 

 

幾人もの屍を乗り越え

 

悔し涙を隠し

 

時に

 

友人の潮には涙し

 

身の全てをSMBCに捧げ

 

髪の全てをSMBCに捧げ

 

それでも

 

挫ける事なく

 

前に進み続けてきた僕たちに

 

研修所の講師は粋な計らいをしてくれたのだ。

 

民衆は皆、笑顔であった。

 

大いに戸愚呂弟(講師)と語りあった。

 

その光景は

 

この世の楽園であったに違いない。

 

ふと頭にBGMが流れた。。。

 

 

 

 

都会(まち)の人混み

肩がぶつかって

ひとりぼっち

 

果てない草原

風がビュンビュンと

ひとりぼっち

 

どっちだろう

泣きたくなる場所は

2つマルをつけて

ちょっぴりオトナさ

 

メチャメチャ苦しい壁だって

ふいに なぜか

ぶち壊す 勇気とPOWER 

湧いてくるのは

 

メチャメチャきびしい人達が

ふいに 見せた

やさしさの せいだったり するんだろうね

 

ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・ます!

 

 

『微笑みの爆弾』

作詞:リーシャウロン

作曲:馬渡松子

 

 

幽遊白書を知らない人は

『レベルE』から出直してきてくれ。

 

 

 

 

僕たちは戸愚呂弟(講師)が、

ふいに見せた優しさに

心を奪われてしまったのだ。

 

そう

SMBCガンギマリである。

 

そして宴も終焉

 

皆名残惜しそうにしていると、

 

 

戸愚呂弟(講師)が叫んだ!

 

 

 

 

戸愚呂弟(講師)

「聞けええええええええ!皆で歌うずうううおおおおおおおおおおおおお」

 

 

民衆(僕)

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

 

 

宴の締めは

ゆずの

『栄光の架け橋』

であった。

皆が肩を組み大いに歌った。

 

 

 

ある者は誇らしげに歌い

 

ある者は涙を流していた。

 

号泣していた。。。

 

 

僕はその光景を眺めながら

 

宗教の怖さ

いや

洗脳の怖さ

いや

研修の達成感を心に刻みながら

満更でも無く歌っていた。

 

 

 

そう

 

 

僕も

 

君も

 

SMBCガンギマリ

だったのだ。

 

 

最後の曲が終わり

ダンスフロア(食堂)

が静けさに包まれた時。

 

幾許(いくばく)かの男の咽び泣きと共に

きっと皆、

 

『この会社に入って良かった』

『有難う!SMBC!』

『SMBCマンセー!』

 

 

と思っていたに違いない。

 

僕もその一人だ。

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会も終わり、皆が片付けをしている時に

一人の民衆が声を上げたのだ。

 

「コンビニに行っていいですか?」

 

そう

将軍への『直訴』である。

 

普段ならば、

『飲酒後の外出は禁止』

という研修所の鉄の掟があるのだが、

今日は違った。

10分以内の帰還なら、

コンビニ(ミニストップ)への遠征許可が出たのだ。

 

民衆は狂気乱舞した。

アルコールの入った民衆が狂気乱舞したのだ。

 

僕も意味なく

「最終日だ!ご褒美にミニストップのソフトクリームだ!!!きゃっほおおおおおおおおおおおおおおゆゆvんそfvしおvvんしおdvぼあうdvばおぢvんぢんpvしv」

と狂気乱舞した。

 

但し、

戸愚呂弟

「近隣には死んでも迷惑を掛けるなよ。」

 

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出典:https://www.scoopnest.com/ja/user/comicgazo_bot/574767736166871040--

の一言で、

この遠征は『死』を伴うものだと再認識した。 

 

 

 

民はクラス毎に順番を割り当てられ遠征に出発した。

 

ちなみにミニストップまでの道程は、

徒歩で約3分。

途中で小さな公園を通り過ぎ。

ほんのすぐで到着である。

 

そして僕もソフトクリームの旅に出発した。

 

 

途中の公園で差し掛かった時に、僕は信じられない光景を目にした。

 

公園の木々の間に、

戸愚呂弟が3メートル置きに5人配置されていたのだ。

 

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本人は隠れているつもりなのだろう。

 

僕は

「何てセキュリティだ。。。こんなガバガry。いや、強固なセキュリティあれば酔って近隣に迷惑など掛けようが。。。」

 

と思った瞬間。

 

後ろから声が、

一人の戸愚呂弟が、

「貴様ああああああああ。何をしているうううううううううううう。」

と民衆の二人を捕まえた。

 

ふと振り返ると二人の男女が。

戸愚呂弟に捕まっていた。

 

 

僕は暗闇でよく見えなかったが、

「あ、死んだ」

と思い。

あまりの恐怖でミニストップの灯りへ急いだ。

 

 

ミニストップに入り、

ソフトクリームを待つ中、

僕の頭の中では、

「そんな騒いでたっけな?」

と疑問だけ残った。

 

そう

暗闇は静かだったのだ。

漆黒の闇であったのだ。

 

 

 

次の日。

僕は真相を知る事になった。

 

 

研修最終日。

 

 

 

 

 

一人の同期が行方不明になった。

 

 

 

 

 

 

神隠しか?

 

場はざわめき。

 

行方不明者の安否を気遣った。

 

神隠しにあったのは、

昨日、僕の後ろで捕まった男である。

 

 

 

 

 

全ては昨日発生した事件によるものだった。

 

そう僕の聞いた叫び声の正体。

真相である。

 

 

 

 

 

前夜。

 

僕の後ろで捕まった男女二人は何をしたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キスをしたのだ。

 

 

キッスである。

 

KISS。

 

接吻。

 

くちづけである。

 

 

 

暗闇の道中。

 

 

アルコールの入った男女二人。

 

最早

自然の道理

世の理(ことわり)

 

キスをしたのだ。

 

 

 

 

暗闇でキスをした二人は。

 

暗闇にガバガバに紛れ込んでいた、

戸愚呂弟に捕まったのだ。

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アルコールとは。

 

時に、

 

人の視野を狭くする

人の判断をにぶらせる

人をちょっとエッチにさせる

 

そんな悪魔の囁きである。

 

そんな悪魔の囁きに乗った一人の同期が、

 

戸愚呂の餌食になった。

 

ただそれだけの話だったのだ。

 

 

話は戻って、研修最終日。

 

捕まった二人のうち。

女性はいた。

 

いないのは男だけである。

いつの世も悪いのは男である。

フェミニズムである。

 

ちなみに僕はフェミニズムの使い方をよく分かっていない。

 

 

 

一方の男は何をしていたのか?

 

 

後から聞いたら、

別室で

永遠に

辞表を書かされていたのだ

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言葉通りである。

 

 

死を迫られたのだ。

 

 

 

同期は泣き叫びながら、

辞表を書かされていたのだ。

 

結局はクビにはならなかったが。

 

この出来事は大いなる教訓を教えてくれた。

 

 

 

酒を飲んでも飲まれるな!

 

 

この一言である。

 

 

 

 

男はきっと人事評価でマイナスが付いたであろう。

 

当たり前である。

 

銀行からすれば

 

酒に飲まれる人間なんてリスク系男子である。

 

彼はその瞬間の唇を求めて

 

自分の人事評価にマイナスを付けるという

 

ロケットスタートを切ったのである。

 

 

 

この文章を読んでいる。

 

就活生よ。

内定者よ。

研修生よ。

若手社員よ。

 

お酒は怖いのだ。

 

無理せず飲む。

自分を保って飲む。

 

これが社会人であり。

カッコイイ大人の嗜みである。

 

これだけは忘れないで欲しい。

 

 

 

ちなみに、

当初は同期に同情をしていた僕だが、

この同期の男女両名。

付き合ってはおらず。

そもそも。

彼女あり

彼氏あり

このオチを聞いて。

 

戸愚呂弟よ。

何故にクビにしなかった?

 

何故にこいつらをクビにしなかった?

 

羨ましさと妬みに身を焼かれた、

ちっちゃい心の持ち主が、

僕である事は生涯伏せておきたい。

 

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