恋する銀行員

元メガバンクの社畜が紡ぐ物語

【銀行】明るく元気に銀行員の毎日についてシェアしたい。

最近、学生から内定連絡がたくさん届くようになった。

特に銀行員という職業について質問される事が多いので、今日は銀行員という生き物の生態についてほんの少し触れつつ、銀行の魅力を世界に広げたいと思う次第である。

※本記事は過去に書いた『メガバンクの1日』を再度掲載しつつ書いております。

ごめんね。

f:id:higumaaa:20180904010603p:plain

今回は特に

 

1.銀行員の1日

2.ここが変だよ銀行員

 

について書きたいと思う。

 

 

 

1.銀行員の1日

 

まず銀行員の1日について事細かく。

決して採用サイトには書かれない、現実について書きたい。

 

ちなみにけっこうガチで書いている。

 

5時30分(調子が良い日)

起床。

新聞読みながらモーニングサテライトを見る。

記憶には残らない。

基本朝は精神的にごはんを食べれない。

 

6時40分(通常)

起床。

分刻みのスケジュールで支度。

新聞なんか読んでる暇は無い。

朝ごはんなんて食べれない。

 

7時10分

寮を出発。

支店が近い人は同僚数名でタクシー出社。
 

7時40分

出社。

但し支店が開くのは8:00ジャスト。

意味もなく上司を待つ。

ここで新聞を読んだりする。

当たり前だが、内容なんか覚えて無い。

8時に向けてだんだん人が増えてくるが、誰もコミュニケーションは取らない。

目は死んでる。

 

8時00分

門開け。

これくらいの時間に部長も出社。

無駄に元気な挨拶をする部長に魂のない返事をする。

 

8時20分

管理職会議。

上がいないので若手に優雅な時間が流れる。

この後の材料会議で詰められるのが分かってる人はここで遺言を残す。

少しずつ目が覚めてくる。 

 

8時40分  

みんなで材料会議。

部長

「今日は何をやるんだ!」

「材料表の案件はどうなってるんだ!」

「行動量だ!いけえええ!」

恐怖政治も数字がいってればこの程度でリリース。

さっき遺言を残した先輩は気配を消して立ち去ろうとするも、副部長に呼び止められドナドナされる。

 

9時00分  

営業開始。

副部長が「なんで中にいるんだあああ!!!外に出ろおお!!!」

と絶叫。

新規先リストなどまとめてダッシュで出る。

 

9時10分  

行きつけの喫茶店でモーニング。

モーニング食べながら新規先リストを確認。

頭の中は

『どこで何をしよう』

『この新規先はこんな話してみようかな』

『この材料進めないと夕方死ぬな』

などで頭いっぱい。

続々と支店の若手が喫茶店に集まってくる。

 

9時30分  

いまだ喫茶店。

お互い材料表見ながら絶望。

「9時にいくところなんてないよなー」

「お客さんも9時に銀行員来たら困るだろ」

とみんなでぐちぐちするも言葉はどこにも届かない。

さきほどドナドナされた先輩も亡霊となって合流。

死に様を共有。

K先輩はMineCraftを始める。

 

9時50分  

客先へGO!

移動はチャリ。

 

10時00分  

アポ先へ到着。

とりあえず、お願い営業も普通に苦笑いされる。

提案3分で断られたあとは世間話。

とりあえず半沢直樹の話をしておけばすべらない。

 

10時40分  

新規先へGO。

電話しても断られるからとりあえず飛び込み。

新規先リスト見ながら頭の中は何を話すかを妄想and妄想and妄想。

しかし10社くらい行っても余裕の門前払い。

もちろん何も感じない。

 

12時00分  

支店に戻り課長に報告。

机の上には大量の事務と電話メモ。

少し吐きそうになる。

比較的余裕ある時

⇒支店の食堂で10分ほど飯。

いつも

⇒事務と電話対応してお昼が終わる。

今日は飯抜き。

 

13時00分  

午後の部START!

 

13時30分  

アポ先へGO!

とりあえず嫌味を言われる。

お願い営業する前に先制パンチでKO。

とりあえず作り笑顔して帰ってくる。

 

14時00分  

カフェで心を癒す。

何もしてないけど強く生きてる自分へのご褒美に上島珈琲へ。

僕は黒糖ミルク珈琲が好きである。

午後の新規先リストを見ながら、

「どうすっかなー。」

「もう銀行やめようかなー。」

今後の人生を考える。

黒糖ミルク珈琲うまうま。

 

14時30分

課長から電話。

「あれどうなってるんだ!」

の一言で現世に帰ってくる。

 

15時00分  

新規先へGO。

普通に門前払いされ続ける。

1社面談に通されて逆にビックリする。

先方

「ベンチャー企業でこんなことしてて。」

「こんなサービスで。」

「これくらいの売り上げが立って。」

と夢のある話を聞いて少し元気が出る。

ただ融資はきつそうだなーと頭の片隅は冷静。

 

17時30分  

帰社。

机の上には引き続き大量の事務と電話メモ。

めまいがしてとりあえずトイレへ。

キャンディークラッシュしながら頭を整理。

どれだけ頭を整理しても絶望。

他人が入って来たら踏ん張ってるフリをしつつ意味なくウォシュレットを稼働。

 

 

17時40分  

課長へ報告。

客に断られた提案も

「難しいけど、検討させて頂くとのことでした。」

と延命措置をする。

新規も

「この先から名刺を頂くことができました!この先はこんなことしてて~。」

と報告用に少し盛る。

頭の片隅は諦め。

 

18時00分  

部長へ報告。

課長、副部長も同席。

全員が見て見ぬフリする中、1対3の数的不利を全身で感じながら詰められる。

部長

「今日は何をしたんだ!」

「材料表のあれはどうなった!」

「なんで決めてこないんだ!」

「明日も行ってこい!」

「もういい今からアポ取れ!」

とリリース。

 

18時10分  

先輩が部長報告で惨殺されているのを横目に、指示に従い架電。

お客さんは不在。

早帰りって都市伝説じゃねえんだな。

明日朝一にお客さんに電話して話を合わせてもらうことを願う。

 

18時20分

先輩が死ぬ。

 

19時00分

みんなで新規会議。

新規先について報告。

報告量が少ないと惨殺される。

部長

「これしかまわってないのか!?」

「日中何してるんだ!!!」

「ふざけるな!!!」

「おいお前だよ!お前!」

 

後輩が死んだ。

 

20時00分

 新規会議終わり。

部長帰宅。

部長

「帰るまでにこれやっておけよ!」

と各自に指示。

帰宅後は副部長が発狂し、死んだ後輩が詰められる。

副部長

「さっきの新規会議はなんだ!?」

「ふざけてるのか!!!」

「俺が若手のときはなあああ」

 

あたりで話が長くなると思い、心をログオフ。

自分の貸金の稟議を死ぬ気でやる。

 

20時30分

「時間だあああ!帰るぞ!!!!死んでも出るの遅れるな!!!」と課長が叫ぶ。

銀行は残業に厳しい。

仕事が終わってなくても撤収。

貸金稟議が終わらず明日の死亡が確定する。

 

21時00分  

若手で飲みへGO。

みんなで現状報告。

明日、死亡確定組が他にいて勇気づけられる。

上司のモノマネで大いに盛り上がる。

 

24時00分  

帰宅。

風呂。

貸金稟議のコメントを考えるも転職サイト見ながらネットサーフィン。

 

25時00 分

時計を見て絶望。

とりあえず作業。

 

26時00分  

就寝。

悪夢。

南無。

 

以上。

 

 

これを読んで、ハードな日々を送っていると思う君。

 

一方でタイムマネジメントを極めると非常に平和な仕事にもなり得る事を伝えたい。

 

私が地方支店にいる時は、車営業であった。

数字が出来ていた時は、

9時から新規開拓!

と言いつつ、

 

速攻、寮に帰宅。就寝。

(二日酔いだったのだ)

 

お昼から後輩とスシロー。

 

お腹いっぱいになった為、バッティングセンターにてストレスとカロリー発散。

ヤマダ電気にて家電視察。

眠くなったので車で2時間ほど仮眠。

 

会社に帰還。

 

という黄金デーを満喫した事もある。

 

何が言いたいか?

 

メリハリのある毎日を送るのが営業マンの成功秘訣だ!

 

これを伝えたい。

 

毎日カツカツに生きては疲れてしまう。

たまに死ぬほど頑張る日を作るのは、

たまに死ぬほどサボる日があるからこそである。

 

ちなみに私の仲間には営業と言って、

日帰り温泉彼女とデートに行く強者もいた。

 

これが天下のファンキー企業SMBCである。

 

是非みんなも入社して欲しいと切に願う。

 

 

 

2.ここが変だよ銀行員

銀行員の毎日について知ってもらった後は、銀行の文化について触れたい。

これはみんなが銀行で生きていく為の処世術である。

しっかり心のメモに刻んで欲しい。

 

 

 

まずは想像して欲しい。

 

今日は月曜である。

地球のサラリーマンの最も鬱な日である。

きっと会議などがあるだろう。

 

そんな大事な月曜日に、

もし君が風邪を引いてしまい。

いや、

インフルエンザになってしまい。

いや、

ペスト、スペイン風邪、天然痘、結核を併発したとしよう。

 

君はどうするだろう?

 

きっと多くの社会人は、

 

朝イチで上司に報告だ!

と考え。

「申し訳御座いません。。。」

「ええ。はい。ペストとスペイン風邪、天然痘、結核を併発しまして。。。」

「はい。。。すいません。

「はい。。。休んで病院に行きます。」

となるだろう。

 

 

これは不正解である。

 

 

こんな回答は軟弱な社会人。

安定系メーカーや公務員の選ぶ悪手そのものである。

 

これではメガバンクでは生き残ってはいけない。

 

 

メガバンクマンの答えはたった一つ。

 

「死んでも会社に行く。」

 

である。

 

当たり前だ!

 

ペストなんか関係無い。

マスクして行けばいいのだ!

f:id:higumaaa:20190524014648j:plain

出典:http://nanjhistory.2chblog.jp/archives/9624453.html

※ちなみにこれは医師用のマスクです。利用する時は患者用じゃないので気を付けてね!

 

月曜はどんなに体調が悪くとも。

どんなに心が病んでいようとも。

どんなにペストが蔓延しようとも。

 

死んでも行く!

 

これがアンサーである。

 

 

では、具体的にはどんな流れになるのか説明しよう。

これは実話である。

ノンフィクションだ。

 

 

朝、僕は39度の熱があった。

常人な弱者ならすぐに上司に電話だろう。

 

ただ僕はメガバンク系男子である。

 

月曜の朝イチに上司に電話なんてするはずがない。

そもそも怖くて電話なんか出来ない。

 

とにかく会社に行くのである。

 

シャワーを浴び、髪を整え、スーツに着替え、辛かったらタクシーに乗ってでも会社に行くのである。

 

必ず会社に向かい、39度の状態で上司を待つのだ。

 

そして、上司が到着して初めて、

直接的に、

フェイストゥーフェイスな感じで、

 

「すいません。どうやら風邪を引いたみたいで。。。」

「はい、今39度くらいあって。。。」

「日中会議後に病院に行っても大丈夫でしょうか?」

と絶不調感を出しながら聞くのである。

 

すると

 

上司

「大丈夫か?」

「そんな熱あるなら、会議はいいぞ」

「先に病院行け」

 

「すいません。ありがとうございます。」

 

となって初めて病院に行けるのである。

 

そして、病院で診察を受け上司に電話で報告。

「すいません。やはり39度あって」

「ええ、はい。」

「インフルエンザとかではないです」

 

上司

「そうか!じゃあ部長には言っておくから今日は休んでいいぞ!」

 

「申し訳御座いません。ありがとうございます。」

 

ガチャ。

 

 

 

ヒャッハー!!!

イャッッホォォォオオォオウ!

 

となって初めて会社を休む事が出来るのだ。

 

コントでは無い!

ガチである!

 

ここには社畜界でもトップオブトップに君臨するメガバンクマンが、

何故トップなのか?たる理由。根元があると思う。

 

ぶっちゃけ

「朝、電話すればいいじゃん」

と思う。

 

ただこれでは味気無いのだ。

人間味が無いのだ。

ヒューマニズムに欠けるのだ。

メガバンクの名が汚れるのだ。

 

我らは

部下:めっちゃ体調悪いのに這いつくばってでも来ましたよ!という『努力』。

上司:おいおい。そんな無理するなよ。病院行けよ。という『愛情』。

病院:おい。こいつ病気だぞ。診断書出しといだぞ。という『現実』。

 

これらの

形式美

を行う事に意味があるのだ。

 

そこには合理性など存在しない。

無意味に意味を持たせるという事を何も考えず行うのだ。

 

この話を他の企業の人に話すと笑われるし、

僕も今となっては異常だと思うが、

 

意外とこのノリ。

嫌いじゃ無いのだ。

無意味に意味がある。

きっと僕にもメガバンクマンとしての土壌が育っていたのだと思う。

 

では、就活生は今日学んだ事をどう活かすのか?

 

 

 

 

それは分からない。

 

 

 

ただ一つ言える事は。

 

この記事をそっとメガバンク志望の奴らにシェアする事で、ほんの少し倍率が下がるかもしれない。

ライバルが減るかもしれない。

そんな話である。

 

この記事がペストのように蔓延し、メガバンク志望の学生の心が病んでしまうのも、ある意味優しさだと自分に言い聞かせ、みんなの就活の成功を切に願う。

 

【スポンサーリンク】