恋する銀行員

元メガバンクの社畜が紡ぐ物語

【恋する銀行員】第6話『イカれたメンバーを紹介するぜ!』

第6話

『イカれたメンバーを紹介するぜ!』

※少々の下ネタを含みます。

※女性の方はノークレームでお願い致します。

 

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前話あらすじ

 

研修初日

周りのガチ勢レベルに圧倒された僕

果たしてM銀行で生き残って行けるのか!?

 

higumaaa.hatenablog.com

 

 

初めての方は第1話からどうぞ

 

higumaaa.hatenablog.com

 

 

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研修初日に圧倒された僕は、大人しく研修に臨んでいた。

 

研修の内容は、1ミリたりとも記憶には残っていない。

 

M銀行の歴史

名刺の受け渡しなどビジネスマナー

コンプライアンス勉強

銀行取引約定書の解説

etc...

 

 

クソのほども面白くない研修が続いた

 

僕は日々寝ないように耐える事で精一杯だった

 

 

学生時代は

明け方までアニメを貪るように視聴し、

一度眠りにつけばお昼まで起きれない、

1限なんてここ2年くらい行ってすらいない

 

的な、

きっとこれを読んでいる学生と同じ目線の

クズ学生を謳歌していた僕にとって、

 

朝6時起きの研修は、

まさに地獄そのものであった。

 

 

しかし、

決して寝る事は許され無いのが社会人である

 

研修2日目に

後列のKくんが一瞬の睡魔に襲われ

眠りに落ちた瞬間。

 

研修所のI講師から、

怒鳴られ、

詰められ、

絞られ、

2時間立ったまま研修をしていた様は

 

僕たちソルジャーに

 

「ここは戦場だと」

 

思わせるには十分のインパクトを与えた。

 

 

 

 

 

そんな研修の数少ない楽しみの一つに

お昼休みの数少ない団欒の時間があった。

 

時間にして1時間

 

皆で集い

研修所の決して旨く無い戦場飯に舌鼓をし、

お互いの生き様を語り合う

 

戦場の中での数少ない心和む時間であった。

 

 

そんなある日、

関西の超高学歴大出身のS氏が

場を震撼させる発言をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「男も潮を吹けるって知っとる?」

 

 

 

 

 

 

 

場が凍りついた。

 

その場には10名程度の高学歴ソルジャーが

集い、語らっていたが

 

急に静かになった

 

そして

 

S氏の言葉。

いや金言に耳を傾けたのだ。

 

それはまるで

お釈迦様が

救済を求めた民衆に対して

説法を説くかのような

とても慈しみ深い時間だった。

 

 

 

 

S氏曰く

「イクやん?」

「その後もやるねん」

「辛くても我慢や」

「するとな」

「またイクねん」

 

 

 

 

 

これが釈迦の教えである。

 

我々には想像も出来ない話だった。

 

漢なら分かると思うが、

 

事を終えた直後にさらに事を続けるなど

 

有り得ない話なのだ。

 

心も

身体も

絶対に有り得ないのだ。

 

 

 

我々10名のソルジャー達は動揺し、

お互いの経験の限りを共有し、

 

そして結論に至った。

 

これは釈迦のみの妙技なのだと

民衆には到底辿り着く事の無い領域なのだと

 

その日からS氏からはどことなく

後光が差しているように見えた。

 

我々はS氏を尊敬し崇めるようになった。

心から崇拝するようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唯の1名を除いては。。。

 

 

 

 

 

その翌週。

土日明けの月曜日。

 

いつものお昼休み。

 

この日も平穏な団欒の時間が過ぎると思われたが。

 

 

 

 

「週末、俺も潮を吹いたで」

 

 

 

 

と、発言する者が現れたのだ。

 

旧帝大院生だったH氏であった。

 

 

 

 

H氏は知的好奇心の塊のような人であった。

 

S氏から「人の可能性」について説かれた時、

 

我々民衆と違う思考が芽生えたそうだ。

 

「週末、やろう」

「極楽浄土に昇ろう」

 

と。

 

 

彼は迅速且つ最善の行動を取ったそうだ。

 

まずは当時の彼女へのアポを入れ

 

共同作業としてのパートナーを決めた。

 

 

そして、

「初めての潮吹き」

という高貴なる記念日に対して、

彼は自宅や安ホテルなど似つかわしくないと考え。

 

5万を払い

 

横浜のベイシェラトンホテルを準備したそうだ。

 

 

 

 

 

 

「備えあれば憂いなし」

 

 

 

社会人として

 

いや

 

銀行員としての学びをしっかり活かして

 

最良の環境作りを行ったのだ。

 

 

 

 

 

 

そして。。。

 

 

 

 

彼は昇華したそうだ。

 

人の限界を超え

 

叡智の限りを尽くし

 

全知全能たる釈迦に昇華したのだ。

 

 

 

彼は二度目の昇華に辿り着いた時

 

頭が真っ白になったそうだ

 

その後現世に戻ると

 

周りはびしょ濡れになっていたそうだ

 

 

 

 

 

そう彼は吹いたのだ

天高く潮を吹いたのだ

 

 

 

 

 

H氏の言葉を聴き終えると、

 

我々は気付いてしまった。

気付き涙してしまった。

 

 

このM銀行研修所の食堂には

 

 

 

2人の釈迦が

 

 

 

 

 

2人の釈迦が鎮座しているのだと。

 

 

辛く苦しい

社会人の門を叩いた迷い子達に

 

釈迦が救いの手を差し伸べ給うたのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらにH氏が

「あれは人間のバグや」

と仰った。

 

 

 

 

釈迦が現代用語を用いておられる。

旧帝大の釈迦がカタカナを使っておられる。

 

 

 

我々はそう思った。

 

 

我々は理解した。

目の前に鎮座している二人の釈迦は

 

古来より脈々と受け継がれる教えを

我々に恵んで下さるだけでなく

 

現代における叡智すらも吸収し、

そして

与えて下さるのだと。

 

 

 

 

もう何も考える事は出来なかった。

感動と信仰心により。

何も考える事は出来なかった。

 

 

 

我々は精進料理のような昼食を食べ終え

 

研修の教室に戻って来た。

 

 

 

 

 

何か研修よりも大きなもの学び

教室に戻って来た。

 

 

今日からまた出直そう

心変えて研修に臨もう

 

釈迦の教えを胸に我々民衆は

 

研修後半戦に臨む事となる。

 

 

続く 

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